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Osamu Miyazaki Blog
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決勝は、フリー走行以上に雨の量が多くて、コースの至る所に厚い水の膜が出来ているコンディションだった。
 
そんなコンディションの中、4番グリッドから上々のスタートを決めて、第1コーナーへは2番手で進入する
 
OL5H4362.JPG問題はここからだった。
フリー走行時より悪化した路面コンディションに、この大幅にセッティングチェンジしたマシンが果たしてマッチングしてくれるのか・・?
 
マシンの状態を確かめながら2番手のまま無理をせずにオープニングラップを消化した。
「まぁ、取り敢えず悪くは無さそうだ」
トップの小西には、すでに2秒の差を付けられていたが、まだ焦りは禁物!
 
2周目に少~しペースを上げてみる。
「マシンの挙動は大丈夫!」
 
3周目、更にペースを上げながら意識的にマシンをラフにライディング。
「問題無ぁ~い!!」
 
バクチのようなセッティングチェンジは見事に的中!!!
 
OL5H5877.JPGでも、こんな事していたから、トップとの差は3秒以上。 後続は離していたものの、あまりノンビリとはしていられない。 マシンの状態も掴めた!この辺りからライディングを追い上げモードに切り替える!
 
とは言え、さすがに3秒以上離れている小西にはそう簡単には追いつかない。
少しずつ、少しずつ差を詰めていき、射程距離まで追いついたのは8~9周目辺りだったかなぁ?
 
ペースを上げて追いついたが、一人旅状態だった小西は取り敢えず無理せず後続が来るまで様子を伺っているのか?
そう思いながら追い付き、後ろに付いて小西のライディングを観察してみると、決してヤツにも余裕があるわけじゃなく限界近くで走っていた。
数周・・・ こっらが速い区間と、あっちが速い区間がハッキリと分かれているのを確認した。
 
11周目、先ずはこっちに分のある第1コーナーのブレーキングでパスして前に出てみる。
だが・・直ぐにクロスラインで抜き返される・・・
 
今シーズンのこれまでの小西のレース展開を見ていて、抜かれた直後に抜き返そうとするスタイルは解っている。  
 
その後も、何とか前に出てレースをコントロールしようとパッシングポイントを探っていたが、グリップの悪いこの岡山国際サーキットの路面と、チャンピオンの小西が相手だけにそう簡単にはいかない。
 
そうこうしているうちにファイナルラップに突入!
 
それまでのラップと同じように、自分が有利な第1コーナーから高速S字で差を詰めてピタリと後ろに付く!
この後のストレートへ向けて立ち上がるアトウッドカーブは、どうしても分の悪いポイントで、このレース中も、昨日までのドライコンディションでも 『HONDA CBR600RR』 勢に歯が立たないポイントだった。
しかし、ストレートエンドのヘアピンコーナーのブレーキングは、このアトウッドカーブで離されなければ、確実にパッシング出来ると確信していた。
 
アトウッドカーブに進入。
やはり、キレイに旋廻していくCBRに遅れを取ったが、立ち上がりでそれまでより僅かにスロットルを大きく開く!
 
スリップストリームが効いて、何とか射程距離ギリギリでヘアピンコーナーまでたどり着いた。
抜く事が出来るのか出来ないのかほんとにギリギリの距離だったが・・・
 
「えぇーい!行っちゃえーっ!!」
 
ブレーキングでインを刺し前に出た!
しかし、次の左コーナーのインを必ず狙ってくるのは解っていたから、そこを押さえ切らなければ・・・
そこからダブルヘアピンコーナーを抜けるまでは、小西の方が僅かに速い。
 
OL5H6009.JPG思っていた通り強引にインに入ってきた。
ラインが交錯しながら、クロスラインで抜き返せると判断し、次のコーナーへ向けて加速態勢に入ったが、ここでリヤタイヤをスライドさせてしまう。
 
加速が鈍り、目論見は失敗・・
しかし諦めずに、最終コーナーで再び差を詰めてゴールライン目指して加速した。

最終コーナー立ち上がり、小西より速くアクセルを開け差はより縮まった! メインストレートで並ぼうとしたが、0.069秒差の2位で終わってしまった・・・

~次号~『岡山国際クールダウンラップ』~へ続く~
 
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はらはらドキドキしながら
ブログを読みました~~スリル満点です!!!
そしてブログの写真、スタ-トコ-スで不安げに一点を見つめているスッタフの皆さんの顔、何ともいいようのない緊張感が怖いほど伝わってきました。

本当に紙一重で悔しさが残る試合だったようですね。
かすみ草 2008/10/08(Wed)16:50:45 編集
ハラハラドキドキ
もう結果は分かっているのに、読みながらハラハラドキドキです。緊張感一杯で読みながら、スタッフや宮崎さんは、もっと張り詰めていたはず・・・。
それにしても宮崎さんの検討に拍手!!
北の大仏 2008/10/08(Wed)21:01:20 編集
アツい!
熱いレースでしたね!雨でかなりコンディションが悪かったようですけど、それでも限界ギリギリで攻めまくるプロレーサーの技量には感服いたします。
600CCのバイクでこんな悪条件で素人が走ったらマトモにスロットルを開けることすら出来ないでしょう。繊細な職人芸ですね!

今回の宮崎さんの書き込みでどれだけ激しいレースだったのかよく分かりました。優勝まであと半歩も無いほど限りなく近づいたレースなんで宮崎さんは悔しくてしばらく気分がすぐれなかったというのも納得です。全力を尽くしたといってもこれだけ激しいバトルだったらやっぱり・・・ね。

現地で実際に応援しに行った訳ではないので、どのような雰囲気のレースだったのかは分からなかったのですが、今回決勝レースの詳細を聞き、今度はこっちが悔しい気持ちが沸々と湧いてきてしまいましたよ!今、書いている間にも悔しさがだんだんとMAXへ向けて大きくなってきています!(笑)

でもホントにいいレースでしたね。雨の中、現地に宮崎さんを応援に行かれた方々は宮崎さんから最高のレースをプレゼントされましたね!

だーます 2008/10/08(Wed)22:41:56 編集
お疲れ様です
紙一重と言った感じでしたね。今年は特に思い入れが有ったシーズンだったと思いますが、来シーズンの体制が早期に決まり、十分なテストが出来る環境になることを私も願っています。
また遊びに来てください!!
FEED 2008/10/09(Thu)08:26:47 編集
ブログの写真
最後に載っている(表彰台)手に持って高くかざしているものは、(一輪挿しみたいな物)トロフィ-ですか?

すごく気になりました!!デザインが入って居るとか?粋なはからいで後日、オプティクラフトにして貰えるとか?
かすみ草 2008/10/09(Thu)14:20:21 編集
最高のレースでした!
宮崎選手お疲れさまでした。 悔しいレースだったかもしれませんが、とても良いレースでした!
もしあのまま、HARC-PRO小西選手だけ走っていたら、レースとしては正直あまり上位で見処の無いレースだったかもしれません。
一般のお客さんも、ファンも、関係者さんも、白熱したレースになったのは、プライベートで猛追する宮崎選手のお陰です、最終戦本当に見応えのある熱いレースになり、僕も手に汗握り応援していました。
本当に本当に、惜しいレースでしたね。
宮崎選手は、どんどん速いペースで追い上げていましたが、小西選手はペースを上げれず、その差は縮まるばかり、限界の中で走る宮崎選手にオーラが見えました☆★
本当に惜しかった。

メーカー系サポートチームに、完全プライベーターチームがここまでの戦いを毎戦繰り広げてくれるなんて、どんだけ凄いんだーッ!!!!
宮崎選手とチームスタッフのみなさんの苦労を考えながら、この結果と、今年1年を振り返ると結果以上の力を感じずにはいられません。感動しました。

YAMAHAさんも、しっかりこの結果とレース経緯を真摯に受け止めて、宮崎選手ほどの人間にこそ!本当はしっかりサポートしてレース界を盛り上げ、ベテランを起用し良いマシンや良いレースを見せて欲しいものです。(個人的には宮崎選手がYAMAHAに乗ってレースをしてた依頼YAMAHAファンなので、尚更今年初めの宮崎選手に対するサポート体制には正直ガッカリしています。レースで結果をしっかり出しだライダーにはきっと良いことあるハズでしょう。)

宮崎選手。宮崎選手が、何処の場所やチームで走ろうと僕らは応援しています。宮崎選手の走るメーカーさんチームを本気で応援しています。来年また宮崎選手のレースを見るのを楽しみにしています。

宮崎選手が魅力だと感じるメーカーさん、チームで走れることを願っています。

宮崎選手には、まだまだ全日本で走っていて欲しい。
飯高さんには、これからも全日本で戦えるマシンを宮崎選手の様なライダーと組んで益々その腕を発揮していって欲しいです。

レース一筋!! いつも努力を続ける宮崎選手に少しでも報われた結果が出て僕は良かったです。

最終戦の悔しさは、是非来年に晴らしてください。また来年サーキットで待ってますから!

結果が全て=プライベーターで上位争いをする宮崎選手は、僕らにとっては誰にも負けてないヒーローです。

宮崎選手、スタッフのみなさん素晴らしいレースを見せてくれてありがとうございました。
宮崎選手、希望と夢をありがとう!!!! 
まもる 2008/10/09(Thu)19:01:51 編集
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自己紹介:
全日本ロードレースで活躍し、3シーズンに渡って世界最高峰の舞台を走った経験を持つ。2002年の世界選手権日本GPで優勝を果たし、世界でも屈指の実力を持つことを証明した、プロライダーの中のプロ。
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